林業

更新日:2025年02月03日

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たくさんの木が立ち並ぶ森の全景写真
たくさんの間伐された竹が倒れている竹林の写真
たくさんの丸太が並んでいる原木市場の写真
たくさんの磨かれた丸太が立てかけられて並んでいる写真

吉野の林業の歴史

いかだを使って丸太を運んでいる白黒写真

大和には日本国家の起源がある。吉野には杉・桧の人工林の起源がある。吉野地方は、足利末期(1500年頃)に造林が行われた記録がある。一般に吉野の材が多量に搬出されるようになったのは天正年間、秀吉が当地を領有し、大阪城や伏見城を始め、地域の城郭建築、その他社の普請用材の需要が増加し始めた頃からである。その後、当地方は徳川幕府の直領となったが、住民の主たる生業は木材の伐出流送によって維持されていた。享保年間(1720年)より始まる山地での樽丸製造などの木材利用技術の発達による販路拡大に伴い、漸次造林の方法は集約化し、密植、多間伐、長伐期の施業が進められてきた。(樽丸林業ともいう)時代の変遷により、住宅用造作材が「吉野材ブランド」として全国に出荷され、集約的な施業は今も維持されている。

吉野材の特徴

丸太の断面の写真。年輪が見える。

極端な密植と弱度の間伐を数多く繰り返し、高伐期とする施業である。年輪幅が狭く(1センチメートルに8年輪以上)均一になっている。完満通直、無節で、色は吉野材特有の淡紅色、日本人の好む心材独特の持ち味が市場で珍重されている。また、他府県産の木材に比べて強度が特に優れている。昭和49年には吉野貯木場内に「吉野材センター」が建設され、共同取引を進め、吉野材の品質管理・販路の拡大・流通機構の合理化に努めるなど多角的な機能を発揮している。また、吉野材は京阪神はもとより、京浜・関東地区へも柱・長押・鴨居・赤柾角・廻縁・天井竿などの製品が出荷されている。(構造・造作材)

吉野杉(桧)が出来るまで

枯枝を燃やしている地拵えの写真

1.地拵え(ぢごしらえ)
植林 下草刈り木を植える場所の枯枝などを燃やします。その灰は肥料となって森の育成を助けます。

職人が山の斜面に植林をしている写真

2.植林
40センチメートル程度に育った苗木を1本1本植えつけます。根元に十分に土を入れ、足で踏んで固定していきます。

職人が雑草などを刈り取っている写真

3.下草刈り
苗木の育成の妨げにならないように、雑草やつるを刈り取ります。

職人が木に登って枝打ちをしている写真

4.枝打ち
余分な枝を切り落とす枝打ちを行います。枝打ちを行うことで、節の無い良質な材となります。

間伐されて竹がたくさん倒れている竹林の写真

5.間伐
苗木が生長してくると日光が十分得られなくなり、生長を妨げられるので、曲がった木などの間伐を行います。

山の斜面に伐採された木が倒れている写真

6.主伐
植林後50年以上に育った木材を利用用途に応じて伐採します。

健全な森林の働き

山沿いを流れる川の周りにある森林の写真

古くから杉・桧の人工林施業が行われてきた吉野においては、土地にあった適地適木の施業が継続されてきたため、人工林と天然林の適正な林分配置がなされてきました。人工林においては、杉・桧の密植・多間伐により優良材生産が行われ、そして長伐期施業によって森林の機能が一層高められ維持継続されてきました。その結果、森林資源が循環することとなり、吉野の森林景観が保たれ、吉野林業地帯が形成されてきました。森林には、木材を生産する働き、山崩れや洪水などの災害を防止する働き、水資源を蓄える働き、地球温暖化防止に貢献する働き、大気を浄化したり騒音を和らげる働き等多くの機能を持っています。今後は、森林浴などのレクリエーションや野外教育、環境教育の場としての機能を、森林所有者のみならず、多くの人々が利用することが見込まれています。これらの森林の機能を生かすためには、林業そして森林整備を計っていくことが、今後とも重要となります。

この記事に関するお問い合わせ先

吉野町役場 暮らし環境整備課 農林振興室
〒639-3192 奈良県吉野郡吉野町大字香束901番地の3
電話:0746-39-0402(IP直通電話)、0746-35-7538(NTT直通電話)
ファクス番号:0746-35-7535
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