公共建築物における地域産材利用推進方針

「公共建築物における地域産材利用推進方針」の策定及び公表

国において、林業・木材産業の活性化と森林の適正な整備・保全の推進、自給率の向上を図るため、公共建築物の建築等にあたっては木材利用を促進すること等を目的とした「公共建築物等における木材の利用 促進に関する法律」が平成22年10月に施行されました。

本町においても、公共施設の地域産材利用による新築及び内装木質化等への取組みのため「公共建築物に おける地域産材利用推進方針」を策定しましたので、本法律第9条第4項に基づき公表します。

公共建築物における地域産材利用推進方針

1.(趣旨)

本町の総面積は9,565haであり、そのうち森林面積は約8割を占めている。
本町の先人たちは、山とうまく付き合う方法を育み日本三大人工美林とも称されている高品質を誇る吉野杉や桧を生みだし、全国に誇れる「吉野ブランド」をつくってきた。しかし近年、国産材の需要量が低迷すると共に、林業木材産業も停滞しつつある。森林においても充分な手入れがされず荒廃が目立ち多面的機能も低下している。

町では、今後町所有の公共建築物へ率先して吉野町内で生産又は製材された木材(以下「地域産材という。」を利用する事で木材の需要を拡大し、本町の基幹産業である林業・製材業が活性化し、地域経済への波及効果 も期待できると共に、就労の場の確保にも繋がるなど集落の活性化も期待できる。
このようなことから、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律(平成22年法律第36号)第9条 第1項に基づき、奈良県が定める「公共建築物における“奈良の木”利用推進方針」に即して、吉野町が所管する公共建築物における地域産材の利用推進に関する基本的事項等を定めるものである。 

2.(木材利用における意義及び効果)

(1)地域産材利用推進の意義

町が公共建築物等において率先して木材を利用することは、林業及び木材産業の振興を通して、森林の有する多目的機能の持続的な発揮、地域経済の活性化、雇用の確保の実現に繋がる。このため、吉野町は本方針に基づき、公共建築物への地域産材利用を推進するものとする。

(2)地域産材利用の効果

公共建築物おいて地域産材を推進することにより、次の効果が期待される。

  1. 公共空間の高質化
    木材は、安らぎ・温もりを与えると共に、周囲の景観に溶け込むなどの視覚的効果があり、断熱性、調湿性等に優れ、紫外線を吸収する効果や衝撃を緩和する効果が高い等の性質を有しており公共空間の高質化が図られる。
  2. 循環型社会形成への貢献
    木材は、製造時のエネルギー消費が小さく、長期間にわたって炭素を貯蔵できるなど、環境にやさしい資材であり、循環型社会の形成に貢献する。
  3. 林業及び木材産業の振興への寄与
    地域産材の安定的な需要を直接的に創出することにより、林業及び木材産業の振興に寄与する。
  4. 一般建築物における地域産材利用の拡大
    公共建築物は、広く町民の利用に供されることから、多くの町民に対して、地域産材と触れ合いその良さを実感する機会を幅広く提供することが可能であり、住宅、事務所、店舗等の一般建築物への地域産材の利用拡大に繋がる。

3.(基本的考え方及び目標)

(1)地域産材利用の基本的考え方

  1. 公共建築物のあり方
    公共建築物は、町民の共通の財産であり、多くの人に長期にわたって使われるという性質から、公共施設としての機能及び利用者の利便性や安全性の確保、長寿命化、ライフサイクルコストの低減等を考慮する必要がある。
  2. 公共建築物への木材利用の課題
    公共建築物への木材利用にあたっては、構造強度、耐火性能や含水量・シロアリ等に対する耐久性能の確保について十分に配慮する必要がある。このため、木材自体の不燃・難燃化、防腐処理等の耐久性向上、集成材等の木材関連技術の活用及び設計上の工夫に取り組む必要がある。
  3. 公共建築物における地域産材利用に向けて
    町は、公共建築物の機能及び利用者の利便性や安全性の確保を前提として、公共空間の高質化など地域産材利用の効果と費用とを総合的に考慮し、可能な限りその利用の推進に取り組むものとする。

(2)地域産材利用の目標

町は、(1)の基本的考え方を踏まえながら、以下を目標として公共建築物における地域産材利用の推進を図るものとする。

  1. 低層建築物における木造化の推進
    耐火建築物とすること又は主要構造部を耐火構造とすることが求められていない低層の公共建築物の新築、改築及び増築(以下「新築等」という。)にあたっては、地域産材を利用した木造化を推進する。
  2. 内装等の木質化の推進
    公共建築物の新築等及び改修にあたっては、多くの町民が利用する部分や木質化がふさわしい部分について、地域産材を利用した内装の木質化を推進する。また、景観上特に木質化がふさわしい建築物については、地域産材を利用した外装の木質化を推進する。
  3. 「奈良県地域認証材」の利用の促進
    町は整備する公共建築物において、トレーサビリティ確保・品質確保のために「奈良県地域材認証センター」が認証する「奈良県地域認証材」の利用促進に配慮するものとする。

(3)地域産材の適切な供給の確保

町は、公共建築物の整備の用に供する地域産材の適切な供給の確保のため、木材生産・流通の合理化に取り組むものとする。
このため、町は、木材製造業者その他木材の供給に携わる者と連携し、木材生産・流通の合理化を推進し、地域産材の安定供給・品質及び性能の確保と向上、競争力のある価格の実現に努めるものとする。

4.(一般建築物への地域産材利用の促進)

町は、一般建築物における地域産材利用の促進のため、次の施策に取り組むものとする。

(1)民間等の一般建築物における地域産材利用の促進
町は、民間等の者が整備する建築物において、地域産材の積極的な利用を拡大するため、民間等へ要請するとともに支援に努めるものとする。

(2)町民に対する積極的なPR
町は、公共建築物における地域産材利用の推進の意義等について町民の理解が深められるよう、その取組み状況の積極的なPRに努めるものとする。

(3)地域産材利用住宅等への助成
町は地域産材を利用した、町民の方が所有する住宅等のリフォーム及び木造住宅の新築に対して助成を行い、地域産材利用の促進に努めるものとする。

5.(建築物以外への地域産材利用の推進)

町は、公共土木工事における工作物及び工事用資料、備品及び消耗品、木質バイオマスの活用など、建築物以外への地域産材の積極的な利用に努めるものとする。

【附則】

  1. この方針は、平成24年8月1日から運用する。
  2. この方針については、施策の実施状況、効果等について把握・分析を行い、必要に応じて見直しを行うものとする。

お問い合わせ先

吉野町役場 暮らし環境整備課
〒639-3113 奈良県吉野郡吉野町大字飯貝1217-6番地
TEL:(0746)32-8844 [IP直通電話]
FAX:(0746)32-5844
Mail:machidukuri_s@town.yoshino.lg.jp

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